18時半の鮫を歩いた。
マエダでバスを降りて、家までの道を10分ほど。
まだ18時半なのに、真っ暗で、静か。
子どもの頃はスーパーが2つ、本屋が2つはあった。
小さい商店もたくさんあった。銭湯もあったなぁと思い出しながら暗い道を歩く。
鮫の静けさは好きだけど、やっぱりちょっと寂しい。
鮫をずっと守り続けてくれた大人たちがいる。
次は私たちの世代が鮫を守り繋いでいかないといけない。
「どこにいても、心はいつも鮫」
高校卒業とともに、鮫で育った同級生たちもみな、八戸を離れて散り散りになった。
その中の1人が卒業アルバムに書いてくれた言葉がこれだった。
あれから20年たっても、この言葉がいつも胸にある。
私の中では、「世界のどこにいても、心はいつも鮫」にちょっとバージョンアップしているけれど。
私が世界のあちこちにいけたのも、帰ってこれる場所があったから。
「いつでも帰ってきていいんだよ」と迎えられる故郷を、未来に残したい。