先日、小中野周辺をうろうろと歩いてみました。
この辺は市内の中でも歴史が古いエリアで、かつてはお店や飲み屋がたくさんありました。いまは寂しい感じもあります。あと、このあたりは遊郭がたくさんあったことでも知られています。
渋い空き物件多数。特に気に入ったのはこちらのウエディングサロン。
昔は幸せな花嫁で賑わったのでしょう。
タイルがまた…
一生懸命写真を撮りながら歩いていると、ひとりのマダムに声を掛けられました。
「なにか調査してるの?」
「この辺の道路、なにかおかしいと思わない?」と。
たしかに…周りを見回すと、この地域特有の細道ではなく、幅がものすごい広い道に私は立っていました。
「この辺はむかし遊郭がたくさんあってね、花魁通りと呼ばれていたのよ。この道路を、花魁行列が歩いたの」
「向こうのおうちも元遊郭でね。人が住んでるから見られないけれど、真ん中に廊下が一本ずーっとって、両側にお部屋がある造りのおうちは元遊郭だったのが多いのよ」
「そこを曲がって行った方に、昔の遊郭の建物を宿にしてるところがあるのよ。あの辺も遊郭だったから、道路も広いのよ」
と、町の歴史をいろいろと教えてくれました。
「とても賑わっていたのよ。でも昔はそういう仕事しか選べなかった人もいたのよね。しょうがないことだけど」
ひととおり立ち話して、マダムは帰っていきました。
せっかく来たので、新むつ旅館まで足を延ばしました。
ものすごい、圧倒されるたたずまいです。
中に入ってみたかったけど鍵がかかっていたのでまた今度。
ひっそりとした空気のなかで、まっすぐ伸びる太い道。
何人もの人がここを行き来したのでしょう。
ここの町で働いていたたくさんの女性たちのことを思うと、胸がぎゅっとなりました。
気を取り直して、お昼は洋光食堂へ。
ご夫婦で営む小さな食堂ですが、お昼になるとすぐにお客さんでいっぱいに。
オムライスと半ラーメンで700円てどういうこと。
コロナ禍で、愛される地元のお店が閉店するケースも増えています。
好きなお店には通っておこうと、オムライスを頬張りながら思いました。