1945年8月6日。
爆心地から1.5キロのところで被爆したピアノが、八戸にやってきました。
広島生まれの調律師で、被爆2世の矢川光則さんが譲り受け、調律し、2000年頃から被爆ピアノと一緒に全国を回り、平和について学ぶ機会をつくっているそうです。
大正時代に作られたこのピアノが、原爆の被害に遭いながらも生き残った理由は、このピアノが置いてあった家の向かいは材木屋さんで、いつも木材が積み上がっていたそうなのですが、あの日は木材が一切なく、火災に巻き込まれずに済んだからだそうです。ピアノは瓦礫の下敷きとなりましたが、その瓦礫が火災から守ってくれて、数日後、持ち主の方が瓦礫から掘り起こすことができました。ピアノを大八車に乗せて持ち帰り、保存していたとのことでした。
大正時代に生まれ、先の大戦を生き抜き、2019年の八戸でこのピアノに出会えたことは奇跡です。音色は優しく、心に染み入りました。
戦争はしたくないし、2度と繰り返したくないなと、思います。